2025/06/17

Taiwan Today

外交

東日本大震災から10年、台日の友情はますます深く

2021/03/12
2011年に日本で起きた東日本大震災から10年。震災で一気に深まった台湾と日本の友情はその後もますます強く育まれている。困難の中で助け合う関係が末永く続いていくことはみなの願いである。写真は蔡英文総統が11日、日本語でつづったツイッターのスクリーンショット。(蔡英文総統のツイッターより)
10年前の3月11日、日本で発生した東日本大震災は東北と関東に甚大な被害をもたらした。台湾の人たちは1999年の台湾大地震の際、日本が各国に先んじて救援隊を派遣し、様々な物資を提供して被災地を支援してくれたことを思い出し、その時の恩を返そうとする声が広がった。政府は民間と力を合わせ、ただちに救助隊を仙台に向かわせたほか、義援金と物資も提供。またボランティア団体は被災地に入り、被災者のための炊き出しを行った。こうした行いは日本の人々の心を打ち、台湾と日本の友好関係は一気に深まった。
 
2011年5月3日、日本の有志たちが自ら費用を募って台湾の新聞に台湾への謝意を伝える広告を出した。またこの年、日本における中華民国(台湾)大使館に相当する台北駐日経済文化代表処が行ったアンケート調査で、「台湾と日本の関係は良好」と答えた人の割合は91.2%に達した。これらはいずれも当時の台日関係の発展を示す例である。
 
その後、台湾と日本は台湾南部・高雄市が震源ながら台南市で大きな被害が出た台湾南部地震(2016年)、同東部・花蓮県での花蓮地震(2018年)、日本の熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震(2018年)など自然災害が起きるたびにただちに被災した側を援助し合う形となり、双方の友情はますます深まった。
 
東日本大震災から10年となった11日、蔡英文総統と頼清徳副総統はそれぞれのツイッターで、台湾と日本が一緒に様々な困難を乗り越えてきたことに触れると共に台日の末永い友情を祈った。また、外交部(日本の外務省に相当)は台日の友好関係を示す動画を特別に作り、台湾の人々が日本の被災者を応援する気持ちを伝えている。
 
一方、東日本大震災が起きて以降、台湾で学ぶ日本人留学生が組織した「謝謝台湾活動実行委員会」は毎年3月に台湾で「謝謝台湾」(ありがとう、台湾)活動を行っている。今年はさらに淡水老街広場(台湾北部・新北市淡水区で古い町並みが残る観光地の広場)に「謝謝台湾、日台心の絆」記念碑を設置。イベントには台湾在住の日本人や留学生が大勢集まって台湾に感謝した。
 
今年の「謝謝台湾」活動を主催した台湾旭日ローターアクトの会長、内海澪奈さんは震災時、宮城県の自宅が停電、断水に。そして1カ月から2カ月が経ち外部の情報に触れられるようになってはじめて、日本を全力で助けようとする国があったことを知った。当時まだ小学5年生だった内海さんは、どこにあるのかも知らなかった台湾をこの時から意識するようになった。そしていつの日か、必ずや台湾を自ら訪れて台湾の人たちに直接お礼を言おうと決意したのだという。内海さんは今、台湾の大学院で学んでいる。
 
台湾と日本が難局の中で助け合おうとする友情が、若者世代を通じてこれからも継承されていくことを願いたい。
 
 

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